読書記:秋草鶴次著「十七歳の硫黄島」

なぜかぜか、図書館で目に飛び込んできたので借りた。
以前、クリントイーストウッドの映画「硫黄島からの手紙」を見たが、壮絶な雰囲気と迫力ではこの本のほうが伝わるものがあった。
現実の世界で繰り広げられたことなのか、信じられない。
そして今、なんだかんだ平和な世の中になっていることも、信じられない。
まだ二十歳前の兵士が、自分の命を最後まで信じ、最後まで生き抜いてやろうという意志に感動した。
長い意識混濁の眠りを境に、著者は二度の人生を送ったような気がする。
そして今も続く第二の人生は、これからの世界の平和のために捧げられているのだろう。
自決するものの多くが「おっかさ~ん!」と叫ぶそうだ。泣きそうになる。
あと、擂鉢山に立てられた星条旗は、実は日本軍が抗戦し、二度日章旗に変えられたことも初めて知った。

十七歳の硫黄島 (文春新書)
文藝春秋
秋草 鶴次
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