読書記:電通著「クロスイッチ」

「明日の広告」に続き、
勝手に名付けているが、電通のコミュニケーションデザイン3部作のひとつ「クロスイッチ」も再読。
情報量の急増、市場成熟化による商品差別化の困難性、メディア接触態度の変容といった背景化で、
消費者の「情報バリア」が固くなり、広告はスルーされ、メッセージが届きづらくなっている。。。
そんな前提のもと、クロスメディア有効性と、コミュニケーション全体をデザインする重要性が分かりやすく解説されている。
この本は、他3部作同様、実践的で分かりやすい。
特に、手順を体系化して、フレームワークとして落とし込んであるのが印象深い。
【クロスメディアコミュニケーションのプランニングプロセス】
■インサイトを徹底的に探る。ターゲットインサイト、メディアインサイト、クライアントインサイト、社会的インサイト
■コミュニケーション全体を貫く、「コアアイデア」を発想する
■「コアアイデア」を定めたあとに、表現やメディアの戦術論に行く前に、「シナリオアイデア」をさぐる。
そうすることで、表現とメディアの戦術が一体化する。
■構造設計と、ホリスティック・クリエイティブ」は両輪。
■コンタクトポイントは4つの視点で消費者との接点を見極める。
 (場所、場面、時間、気分)
■キャンペーン構造は、横T型。「つかみ」の広さと「受け皿」の深さ。
最後の実践編的な章では、厭味なくらい電通オリジナルのメソッドやツールがふんだんに紹介されている。
ここまでシステム化、体系化さえてる会社に、かなうはずも無い。。。
最後に、クロスイッチ十則なるものの中から、印象的な2つ。
・プランニングに垣根は無い。積極的に垣根を超えよう。
・シンプルに説明できるものにしよう。

クロスイッチ―電通式クロスメディアコミュニケーションのつくりかた
ダイヤモンド社
電通「クロスメディア開発プロジェクト」チーム
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